カテゴリー「やさとのみどころ」の7件の記事

2012年3月 5日 (月)

やさと茅葺き自転車散歩 パート1

やさと地区には70棟近くの茅葺き屋根があります。
が、やさと地区の広さは山手線の内側よりも大きく、70棟はそのエリア内に点在しています。
歩いて回るのは大変なので、クルマで来るのが一般的ですが、
いちばんのお勧めは自転車です。
やさとには茅葺き民家以外にも、ほっとする里の風景、農村ならではの小さな見どころがいっぱい。
クルマでは見過ごしてしまう、何気ない楽しみを探すには自転車のスピードがぴったりなのです。

やさと地区を南北に通るフルーツラインは、ロードレーサーのトレーニングコースとしても知られています。
やさとはビュンビュン走って気持ちいい汗を流すのにも最高の場所。

ゆっくり時間をかけて、自転車散歩の魅力は案外知られていませんが
やさとには一回、二回では知り尽くせない、たくさんの楽しみが待っています。

というわけで、やさとを巡る半日サイクリングに出発します!

文・写真/新田穂高

コースマップはルートラボをご覧ください

石岡市役所商工観光課の高橋さんは、生まれも育ちも地元の「やさと娘」。

スポーツバイクでやさとを走りたい! と、トレックのクロスバイクを新調しました。

スタートは石岡市柿岡の八郷総合支所。旧八郷町役場です。

広い駐車場(もちろん無料)とトイレがあり、クルマ利用のサイクリングの拠点に利用できます。

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ゴールの目標は関東の清水寺と言われる峰寺山西光院です。

朝8時30分。自転車も組み立てて、いざ、出発!

支所を出れば、そこはサイクリングにぴったりのカントリーロード!

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支所から約1km。恋瀬川を渡った向こうに国史跡の佐久良東雄旧宅があります。

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恋瀬川に戻り、川沿いの恋瀬川サイクリングコースを行きます。

何度か車道を横切る以外はクルマの心配もなく、のどかな道です。

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途中、左折して家屋を避け、すぐに右折するポイント。散歩中のおばちゃんの立ち話。

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ふるさと橋まで走ったら、ふるさと農道でフラワーパークをめざします。

恋瀬川を渡るふるさと橋は、ピラミッド型の筑波山を眺めるビューポイント。山をめざして走ります。

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ふるさと農道は広々したやさとの風景のなかを行きます。

1週間前の日曜日には、つくばねマラソンのコースになりました。

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フルーツラインと交差する下青柳の信号を右折したところが県立フラワーパーク。

バラ園は有名ですが、季節ごとにさまざまな花が楽しめます。

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春はベコニア・ダリア展開催中。開園時間中は駐車場のトイレが利用できます。

直売所、観光物産販売店あり。

上青柳地区は、筑波山をバックに、茅葺き民家と谷津田、梨などの果樹、

手入れの行き届いた山林がまとまっています。懐かしさにホッと心が落ち着く里です。

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木﨑眞さんのお宅を訪ねました。鏝絵の施された屋根が立派な四つ脚門をくぐります。

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主屋と書院の2棟が茅葺き屋根。池のある庭には福寿草が咲いていました。

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主屋の前の日だまりで、家主のおばあちゃんと、もう1軒奥の茅葺きの家に住む木崎さんのおばあちゃんがお茶飲み話をされていました。

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梅の花が開きました。例年に比べて1カ月遅れでやってきた春の兆しです。

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門から外を眺めると、こちらものどかな風景です。

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奥の木崎さんのおばあちゃんの家にお祀りされた虚空蔵さまのお堂の前を行きます。

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山からの水を順繰りにまわして、お米がつくられています。きれいな水に、夏にはゲンジボタルが集まります。

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「2月に開かれたアートサイト八郷のときのオブジェ、まだ残ってるかなあ」と思い出して、少しだけ戻りました。

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畑のわきを上った空き地に、怪しげなクルマが。

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「武蔵野美大のOBの方の作品なんです。

中では、やさとのおばあちゃんと話したときの映像が見られるようになってたんですよ」と高橋さん。

ドアを開けてみると置き手紙が。「くつを脱いでお上がりください」

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武蔵野美大の学生さんたちが制作の拠点にしているのが、奥の木崎さんの家。

おばあちゃんの住む茅葺き民家は映画撮影などにも使われています。

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なお、茅葺き屋根の家は、それぞれ個人の住まいです。

庭に入りたいときは、家人に声をかけてOKをもらってください。

上青柳から細谷を通って小幡に向かいます。途中、炭焼きの桜井義四次さんの作業場に伺いました。

奥には2つの炭焼き釜がつくられています。

「いまは火を消して冷ましてるところだよ」と語る義四次さんは82歳。この道60年になります。

「15、16歳のとき、親父といっしょに仕事するようになったんだ。

昔は大子あたりまで行ったよ。戦争中も軍用材を伐ってたから米には不自由しなかった。

いまは水戸や東京からもお客さんが来る。たくさん使うのは焼き鳥屋さん。

お茶に使う小さい炭を焼くところは少ないから、やめないでくれっていわれるよ」

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次の釜に入れるため積まれていたのはカシ。

最近は庭のカシを伐ってくれって頼まれることも多くなったそうです。

「クヌギは生長も早くて炭にいちばんだけど、カシの炭は火をおこしたとき跳ねねえから。土用の丑の日の前に売れるんだよ。ウナギ焼くにはカシの炭でないと」

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「朝と昼のご飯は、こっちで食べるんだ。私は朝4時過ぎに自転車で来て準備するの」とおばあちゃん。

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作業場での煮炊きは炭のかまどで。

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作業場で愛嬌をふりまくミー。

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筑波山参詣の宿場だった小幡の宿通りを走ります。

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宿通りに残る茅葺き民家。

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代々の箆(や)師である小池さんの家の前で乾燥中の篠竹。

箆とは鏃(やじり)の付けられていない矢のことです。

篠竹は半年ほど乾燥させたのち、火であぶり矯正したうえ、削られ磨かれて箆に仕上げられます。

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小幡を抜けて直進すると筑波山神社に通じる風返峠への登りが始まります。

登りはじめの集落が十三塚。観光果樹園が並びます。

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10%越える十三塚の急坂を集落の上まで登った高橋さん。

「新しい自転車は軽いですけど、ここの登りはきついです」

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登ったあとは下り。途中から左に入って、ゆりの郷をめざします。

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里山の麓にたたずむ茅葺き民家。

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観光いちご園「のむのむ」のハウスの下を抜けて……

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やさと温泉「ゆりの郷」に着いたところで、時間切れにて本日終了。

峰寺山はパート2に訪ねることにします。

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「前半は楽々でしたが、十三塚の坂でガクッと脚にきました。
地元にいても、普段は通り過ぎてしまう場所にあちこち寄れたので、新しい発見にはびっくりです。

この調子で石岡市をぜんぶ走ってみたいな、つぎも楽しみです」
ちなみに「ゆりの郷」にクルマを停めて走り出すと、帰りに一風呂できます。農産物直売所もあり。
「シャモ肉や黒豚など、やさとの食材をつかったお食事もお勧めですよ」

○コラム○
ゆりの郷からは、クルマを置いた支所まで走ったわけですが、途中、気になっていた

「オーガニックファーム暮らしの実験室」に寄ってみました。

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organic farm 暮らしの実験室

農場では、養豚と養鶏、有機野菜栽培を柱に、研修生の受け入れや農業体験ほか「農」を知るさまざまな企画を展開しています。
都会の消費者が安全な食を求めて立ち上げたという農場は30数年の歴史を持っていますが、
現在のスタッフは20~30歳台。新しい視点で「農」のすばらしさを広めていけたらと、

農作業のかたわら、アイデアを出し合っているそうです。

敷地のなかにはヤギもいました。

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縦穴住居を作ってみました。住み心地を確かめるため、一冬寝泊まりしましたよ!

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内部のようす。電灯はないので実際はもっと薄暗いです。火をたいていないと寒くて湿気ます。

常に火をたいて使うのが前提。「ときどき留守にする現代人には厳しい面がありますね」

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暖房はロケットストーブで。大小ふたつのドラム缶を重ねて圧力差をつくり、

完全燃焼による高効率を生み出すもので、手作りできるハイテクのひとつです。

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ツリーハウスもあります。

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登ってみました。

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上からの眺め。下に見えるトタン屋根は倉庫と鶏舎です。

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開放型の豚舎による小規模養豚です。豚にストレスを与えず元気に育てるのがモットーです。

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人なつっこいブタくんたちでした。

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2012年2月29日 (水)

大増の生き垣(いきぐね)

石岡の国府から山崎、瓦谷、小見、大増を経て日光へ向かう道が宇都宮街道です。
大増は街道の宿場にあたります。
この地区は過去大火に見舞われ、「大増小増困ります。今度燃えたら困ります」と語り継がれました。
その後、多くの家が屋敷まわりを防火のための生き垣で囲んだため、
整えられた生き垣(いきぐね)が集落の景観を特徴づけています。

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生き垣で囲われた岡本一郎家の庭。風の遮られた空間は、冬の日だまりが暖かく、畑の野菜も育ちます。上青柳の木﨑家と同様に、蔵の周囲も生き垣で守られていました。

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瓦葺きの母屋や蔵を持つ家も、生き垣で囲われ、筑波山、加波山周辺ならではの独特の景観をつくっています。

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2012年2月28日 (火)

小幡/筑波山・風返峠に向かう街道の宿場

上青柳から細谷を抜け、小幡小学校の前を通って、小幡の宿通りに出ます。
小幡は水戸から岩間・真家・山崎・部原・柿岡・小幡・風返峠・北条・古河を経て
群馬県瀬戸井に通じる瀬戸井街道の宿で、
明治期からは筑波山・筑波神社参詣の宿場として栄えました。

街道沿いは今も宿場の面影を残しています。

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宿通りには茅葺き屋根の家屋も2棟ほど残っています。

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小幡宿を抜けて直進すると、十三塚の斜面集落です。観光果樹園が集まるエリア。
冬は逆転層により盆地の底よりも最低気温が高く、ミカンの栽培も行われています。
さらに風返峠に向かう山道に入ると、八郷盆地が眺められます。

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左手奥の山が難台山から続く愛宕山、鐘転山。右側のお椀を伏せた形の山は、八郷の「富士山」。これらの山々の懐が、やさと地区です。その向こうには県央畑作地帯と呼ばれる小美玉市・茨城町の台地がはるか地平線まで広がります。

里の風情を感じる上青柳散策

木﨑眞家で話を伺ったのち、周辺の上青柳地区を散策します。

田んぼと茅葺き屋根、屋敷林、裏の里山。のどかな風景です。

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山からの水を利用する昔ながらの谷津田が残ります。この先には電柱など人工物がないので、時代劇のロケなどが時々行われる場所です。

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農家の納屋には屋根に使う茅がストックされていました。

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木崎清彦家にまつられる虚空蔵さま。茅葺き屋根の小さなお堂は県内でも貴重な存在。

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筑波山の懐に抱かれた冬晴れの上青柳。夏はゲンジボタルの飛び交うスポットとしても知られます 。

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2012年2月13日 (月)

アートサイト八郷2012 小さな・大きな

2月4日(土)~2月12日(日)、上青柳地区の里山をキャンバスに、
竹を中心とした自然素材を使った屋外オブジェが展示されました。

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作品をつくったのは武蔵野美術大学の学生の皆さん。
住民の協力を得ながら上青柳地区で2年前から毎年冬に行ってきた企画で、
3回目の今年は地元八郷のアーティストも協力しました。

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農村の暮らしが息づく里山の風景に、若い感性が融合して作り出された空間は
不思議と気持ちよく、訪れた多くの人の心を和ませてくれました。

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2011年2月12日 (土)

にほんの里100選

 石岡市の農山村エリアである「やさと」地区は、懐かしい里の風景が残る場所として最近、注目を集めています。茅葺き民家の多くも当地区に残り、茅葺き民家と持続的農業が評価された結果、やさと地区は朝日新聞社が主催する「にほんの里100選」にも選ばれました。
 都心から100kmに満たない近郊にありながら市街地や観光地とならず、素朴な風情を保つやさと地区。そこには、茅葺き民家のほかにも知る人ぞ知る名所や名産が数多く探せます。茅葺き民家の風景とともに、もうひとつのお気に入りを、やさとで発見してください。

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常陸風土記の丘

石岡市周辺には旧石器、縄文、弥生時代の遺跡や、4~6世紀頃の豪族たちの古墳、常陸国府の置かれた奈良時代の旧跡など、歴史を示す場所が数多く見られます。常陸風土記の丘は、縄文から江戸後期まで、各時代の住居20数棟を復元展示。多くが茅葺き屋根で、筑波流茅葺き職人の後継者育成にも取り組んでいます。園内ではサクラをはじめ季節ごとの花も楽しめます。

TEL:0299-23-3888

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