カテゴリー「活動報告」の18件の記事

2013年3月14日 (木)

平成24年度ふる森普及啓発事業お礼

昨年9月より、文化庁からの受託事業として進めてきた

平成24年度ふるさと文化財の森システム推進事業普及啓発事業

「筑波山麓の茅葺き民家と茅場の維持保全をはかるための普及啓発事業」は

3月13日をもって完了いたしました。

ご協力ありがとうございました。

事業の詳細については、報告書をご覧ください。

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H24furumorihoukoku_Part1.pdf    目次、フォトレポート前半 

H24furumorihoukoku_Part2.pdf    フォトレポート後半、事業概要、八豊祭、茅葺き体験、茅刈り隊

H24furumorihoukoku_Part3A.pdf 絵画展、見学交流会 

H24furumorihoukoku_Part3B.pdf  茅場と茅刈りチラシ、観光ボランティアガイド研修

H24furumorihoukoku_Part4.pdf  自転車散歩、講演録 「やさとの農村景観 その価値と可能性」①

H24furumorihoukoku_Part5.pdf  講演録 「やさとの農村景観 その価値と可能性」②、新聞報道

H24furumorihoukoku_Part6.pdf  雑誌掲載

 

2012年12月16日 (日)

筑波山麓茅刈り隊/ご協力ありがとうございました

つくば市の高エネルギー加速器研究機構敷地内のススキを刈る筑波山麓茅刈り隊。

12月8~10日、14日、16日の5日間で延べ200人のボランティアのみなさんにご参加いただき、

340駄(2040束)の茅を刈り取り搬出しました。

15日が雨天のため中止となり、5日間の実施でしたが、作業が順調に進み

予定以上の茅を確保できました。ご協力ありがとうございました。

121216kayakari03  茅集めは一束一束の手作業です。

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広い茅場に大勢の力を集めてススキを刈り集め

121216kayakari05 筑波山麓の茅葺き民家10軒ほどにトラックで運びました。

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最終日に参加いただいたみなさんの記念写真。ありがとうございました。

2012年11月24日 (土)

やさと茅葺きサイクリング 走りました

雨のため11月24日に順延となったサイクリング

常磐線高浜駅で自転車を組み立てたみなさんは、まず恋瀬川自転車道で常陸風土記の丘をめざします。

あいにくの曇り空でしたが筑波山はくっきり見えました。

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常陸風土記の丘で自家用車で来たみなさんと合流。正門を入った目の前にある蕎麦処は

お隣の小美玉市から移築した曲屋です。

ちなみに茨城県内には筑波山周辺に直屋、県北に曲屋。県央には2棟が並ぶ分棟型の家屋が見られます。

参照 http://yasatokayabuki.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-ed29.html

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常陸風土記の丘には、縄文時代から江戸時代までの家屋の移り変わりを

復元で展示したエリアがあります。屋根は茅葺きがほとんどなのでメンテナンスが大変。

というわけで、現在、廣山氏を師匠に、若手職員2人が茅葺き職人修行中。

葺き替え作業を終えたばかりの会津民家では、

後片付けをしていた修行半年の岡野さんから話を聞きました。

「屋根から下ろした古茅は、元を切り揃えて再利用するんですよ」

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南面に加えて、ぐしと呼ばれる棟部分、てっぺんの煙出しまで葺き替えたばかりの屋根。

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風土記の丘の奥の広場には日本一の獅子頭があります。

毎年9月に開かれる「いしおかのお祭り」は関東三大祭りのひとつ。石岡市街地のメインイベントです。

獅子頭から広場を眺めると……

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鬼越峠を越えて、ふれあい農道を走ります。前方に筑波山。

朝日トンネルの開通で交通量が少し増えたとはいえ、まだまだクルマは少ないです。

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県立フラワーパークの隣にある私有の茅場(山の左半分竹林のすぐ下です)を眺めた後、あぜ道を進みます。

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上青柳地区では、ケヤキの屋敷林に守られた木﨑眞家を訪ねます。

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当主より当保存会会長としてご挨拶。

木﨑眞家 http://yasatokayabuki.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-794e.html

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同じ上青柳集落には、茅葺きの母屋のほか虚空蔵堂を持つ屋敷もあります。

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筑波山をバックに茅葺きの屋敷を眺める撮影スポットにて

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上青柳地区をあとに、小さな峠を上ります。ママチャリで参加いただいたご夫婦も、ぐいぐいと健脚でした。

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上曽集落へ。モチノキの高垣(いぐね)に守られた三輪家。母屋・書院・長屋門が茅葺きです。

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綿引家は2階建て。

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もとは街道沿いの旅籠でした。

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お昼もすぎてお腹がすいたところで、ようやく柿岡へ。商店街に入る手前の丸味食堂。

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しゃもなべ。食べるほうに気をとられ、鍋の写真を撮るのを忘れました。

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午後からは浦須の佐久良東雄生家へ。勤王の志士で歌人ゆかりの屋敷として国の史跡に指定されています。

茅葺きの母屋と長屋門を持ち、現在もご子孫が住み継いでいます。

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佐久の大場家で記念撮影。参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

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その後、室町時代から千年杉といわれていた佐久の大杉に寄ったのち、

岩間駅・風土記の丘へと帰路につきました。

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写真は一部、今回参加したチーム東葛のみなさんからご提供いただきました。

ありがとうございます。

2012年10月27日 (土)

福島県南会津町 研修視察

南会津町舘岩地区には茅葺きの里として知られる二つの集落があります。

地域のみなさんには、今年5月にやさとを訪ねていただきました。

その縁もあって、紅葉盛りの10月27日、今度は私たち保存会が舘岩地区を訪ねました。

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前沢地区は曲家集落として国の伝統建造物保存地区に昨年指定されました。

たかつえスキー場から約10kmの雪深いところ。曲家の形態は雪かきの距離を少しでも減らそうと

土間を道路に近づけるための工夫なのだそうです。この地区に14棟もの茅葺き民家が残っているのは、

昭和60年に環境美か条例を制定して保存に乗り出したため。大学の先生から歴史文化遺産として価値が

高いと評価され、町と地域の人々とが協力して守ってきました。ちなみに現在14棟のうち12棟が一般の住宅です。

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伝統建造物保存地区となったいま、屋根の補修費の2/3は国からの補助でまかなっています。

それ以前は町が毎年400万円ほどの予算をとり、年に2軒ずつ計画的に補助していたと伺って

「さすが観光に力を入れている町は違うな」と、私たち保存会一同、感心した次第です。

また、国からの補助を受けていながら地元職人による見積もり、段取りを継承して

適正なコストで修繕を続けている点は、これまで地元行政が実績をつくってきたからこそ可能なのでしょう。

地区としては今後は生活環境を守りながら、一方では活性化をはかっていきたいと模索していきたいとのこと。

集落の入り口で300円の入場券を販売するほか、

茅葺き民家のひとつを活用した前沢交流館では集落内で穫れた野菜の直売などを行っていました。

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お話しを伺った前沢区長で前沢景観保存会会長の小勝周一さん。

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この日はちょうど新そば祭り。集落の入り口にある「そば処曲家」で挽きたて打ちたての新そばをいただきました。

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参加したメンバーで記念写真。

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その後、舘岩地区に残るもうひとつの茅葺き集落、水引地区に向かいます。

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集落の奥の茅場では、近隣と都会からのボランティアを集めた茅刈りツアーが行われていました。

水引集落は自由に改築できなくなるなどの理由で行政のバックアップを受けない選択をしたそうです。

そうしたなか、茅刈ツアーは水引集落の茅葺き屋根を毎年2軒ずつ差し茅して補修していこうと、

愛知産業大学特任教授の藤木良明氏の呼びかけではじまったもの。

差し茅は一軒あたり10だんの茅を用意し、8~10人の職人手間をかけるプランで進められています。

集落は藤木氏の支援も借りつつ、これまでどおり自分たちでできる範囲の補修で屋根を維持してきたわけです。

鎌を使って手刈りし、もとを揃えたうえ直径30cmほどに束ねてワラで縛ります。

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小束を6把束ねて1ボッチ。1ボッチ×6束で「1だん」と数えるそうです。

1ボッチの大きさは、だいたい私たちが一尋(約1.8m)の縄で縛る1束と同じくらいなので、

×6束の「1だん(1駄)」も同じくらいの分量になります。

私たちは機械刈りで手早く家に持ち帰り、それから小まるきしますが、

会津では手刈りしてもとを揃え、その場で小まるきしてしまう感じ。

ちなみにこの方法だと慣れた人で1日2だん 刈るそうです。

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私たちは機械を使って慣れた人なら1日5~6駄刈ります。この量を小まるきして切りそろえるのにもう1日。

手刈りと機械刈りとで、仕事の効率の差は 意外と少ないのかもしれません。

水引集落にある民宿「離騒館」。

http://www.kanko-aizu.com/03/detail-0-0-48.html

裏側が傷んでいるため、これから差し茅すると、千葉から嫁に来たという奥さんに伺いました。

登山が縁でこの集落に来たのち、この民家を残そうと民宿を始めたそうですが、

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「やさとの茅葺きでさえ維持が大変なのに、雪国で茅葺きに住む苦労は並大抵ではないでしょう」と、

心から共感する私たちなのでした。

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当保存会でもボランティアを集めて茅刈りを行うなど、水引に似た取り組みを行っています。

しかし、屋根を維持するもろもろの作業を習慣としてきた世代から、手のかからない現代的な生活に親しんだ

次の世代に交代するなかで、これまでどおり各戸で茅葺きを残すのは難しいのが現実です。

地域の資源として残すのなら、行政の資金面でもバックアップも必要だと思います。

前沢と水引、ふたつの先進事例を持つ舘岩地区を訪れて、いろいろと考えさせられた研修視察でした。

 

2012年10月14日 (日)

つくば市六所で茅葺き体験を行いました

筑波山の参道にほど近い、つくば市六所で進んでいる古民家の移築再生。

建前を終えて骨組みた立ち上がり、いよいよ屋根の茅葺きがスタートします。

茅葺き作業を体験するワークショップを筑波山麓グリーン・ツーリズム推進協議会との共催で

10月14日に行いました。

まずは茅を屋根に上げる前の段取り。茅ごしらえから。

ススキを小束に束ね直します。教えてくれたのは職人の渡辺一男さん。88歳現役です。

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屋根に上げる大量の茅をこしらえるのは根気のいる作業。

大勢で当たればはかどります。

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長い茅は、束ねたら押し切りを使って真ん中で二つに分ける「胴切り」に。

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屋根に上げやすいよう、6束ずつまとめて縛ります。

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いよいよ屋根上での作業体験。並べた茅を押さえる竹「おしぼこ」を

先ほど教わった縄縛りで固定します。しっかり止めるのはなかなか難しい。

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指導は廣山美佐雄さん(80歳)。足を屋根上に持ち上げて踏みながら縛るのは、

若くてもやってみるとなかなかできないもの。

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当日の模様はこちらにもUPされています。

約50人のみなさんにご参加いただきました。ありがとうございました。

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2012年9月23日 (日)

第1回「八豊祭=やっほうまつり」 雨にも負けず盛況でした

やさとの里山風景は、農業を中心にした生活文化が脈々と受け継がれて、いまに残っています。

そのすばらしさを伝えていきたいと、やさと&東京の若手が協力して企画されたイベントが、

「八豊祭(やほーまつり)」。初回の今年は9月23日に開かれました。

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あいにくの雨にもかかわらず、近隣はもとより都内からも多くのみなさんが集まりました。

やさと茅葺き屋根保存会では、お祭りコンテンツのひとつ、「茅葺きツアー」の案内をしました。

まずは登録有形文化財の坂入さんのお宅でお話しを伺った後、当保存会の会長 木﨑眞 家へ。

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門も立派な旧家です。

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軒下には「トオシモノ」と呼ばれる縞模様の装飾が。

気候風土に恵まれた豊かな農村で発達した筑波流茅葺き屋根の贅沢な技法です。

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2台の観光バスで移動しました。

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一見普通のバスですが、じつは天ぷら油を精製したバイオフェールが燃料。廃ガスは天ぷらの匂いでした。

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軒下のトオシモノに加えて「くだ」と呼ばれる竹小口の装飾を施した大場ぶどう園の屋根。

この家に住んでいるのは当会副会長の大場です。

お楽しみのブドウ狩りは雨のためできず残念。ぜひまた、晴れた日のやさとに来てください。

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メイン会場の朝日里山学校に戻ると、

県立鉾田第二高校写真部による「やさとの茅葺き展」も、にぎわっていました。

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案内するのはもちろん高校生。昨年からやさとの茅葺き民家を足繁く訪ねて、撮りためてきました。

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屋外のオブジェには石岡の若手フォトグラファー 崇イチさんによるオブジェも。

里山風景の趣を深める茅葺き民家は、農村文化の象徴とも言われます。

秋になれば茅を刈り取り、その茅を空いた時間に束ねなおして準備し、傷んだ屋根の手入れをする。

使い古した茅は堆肥にして田畑に戻す。屋根の維持は農的な営みのひとつなのです。

農村の営みといえば、お祭りでは、やさとの先達に教わるワラ細工などのワークショップも人気でした。

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音楽系のステージは午前中はがんばって外でやっていましたが、午後は音楽室に移動。

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ふだんやさとでは見られないメンバーが集合して、聴きごたえノリごたえのあるステージでした。

ラストは全員参加の「やさと音頭」で締め(すみません。踊りに夢中だったので写真撮ってません)。

はじめての八豊祭は、いろいろと課題は残りましたが、

主催した若手メンバーの情熱がひしひしと伝わってきたと、何人かの方々からお声をいただいています。

ありがとうございました。

スタッフは来年も、さらにバージョンアップして続けたいと考えています。

当保存会でも、今年の反省をふまえて、さらに充実したコンテンツで参加したいです。

ご期待ください。

 

2012年2月26日 (日)

屋敷の構えから生活文化を知る

2月12日のシンポジウム後半は、
筑波大学芸術系教授の安藤邦廣氏です。
安藤教授は茅葺き民家や集落研究の第一人者で、やさとには30年前からフィールドワークに通われています。

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「石岡市における農村景観の特徴と価値、保全と活用について」

       ※記載についての文責はやさと茅葺き屋根保存会事務局にあります。

●筑波山・加波山から霞ヶ浦まで、わずか10~20kmのエリアにすべてが凝縮されている

里山と集落と農地、屋敷構えが明確に残されているのが、このエリアの特徴です。
2007年の調査では、八郷地区に74棟、石岡地区に20棟の茅葺き屋根が残っていました。
さらに茅葺き屋根の上に金属板で覆った建物を加えると300棟はあるでしょう。
ただし、その数は年々減少し、このペースだと10年後には半減しているかもしれません。

●県南に民家の特徴は屋敷構えにある

このエリアを含めた県南の民家は、敷地のなかに母屋のほか蔵や納屋など
いくつかの建物を持つのが特徴です。旧家では書院やタバコ乾燥場なども含めて5、6棟持つのも一般的。
これは気候温暖な南方的形態といえ、関西の民家にもよく見られる特徴です。
また、昔から多様な副業が営まれていたことが分かります。
これが県北の那珂川流域では、一棟に集約された屋敷が多くなります。

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生き垣と呼ばれる垣根に選ばれる樹木は、このエリアではモチやカシです。
県内でも利根川流域まで南下するとイヌマキが多く見られます。

これら屋敷まわりの景観も、農業や燃料の変化によって少しずつ姿を変えて現在にいたっています。

●長屋門は、やさと、石岡、岩間、小美玉あたりまで

長屋門は千葉や栃木、茨城の東京寄りに見られます。
江戸時代には税の取り立てをした、一定以上の格を持った家だけに許されていました。
茨城の県南は力を持った殿様が不在で、旗本の領地も多く、
村のなかに旗本、代官にあたる家も多かったため、長屋門がつくられたのです。
明治以降は、金銭的に成功したら長屋門を建てることが、ひとつの文化になりました。

●屋根の化粧を競う

長屋門を建てることをひとつの目標に暮らしたのと同様に、屋根の化粧に凝るのも豊かさを示す表現でした。
雪がなく冬でも仕事ができるため、南会津の職人たちも明治時代からこのエリアに稼ぎに入り、
屋根の技巧を競いました。こうしたなかでトオシモノやキリトメなどの技法が工夫されたのです。

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●筑波山麓の里山の風景を資源として見直そう

筑波山麓では農地だけでなく山を持つことで、きれいな水にも恵まれて、
さらに豊かな暮らしが営まれてきました。
茅葺き屋根や、付属する小屋なども上手に活用しながら
グリーンツーリズムなどと結びつけていけば、さらに賑わっていくはず。
茅葺き屋根が30軒あれば職人が1人生活できるといわれますから、
地元に職人が残せるくらいに、屋根も残していく方法を、ぜひ考えていってください。

いま、茅葺き屋根は地域の資源にもなっています。しかし、家主の立場からすると、
実際に住んで維持を続けていくのは大変です。
活用といっても、生活は成り立っていますから、とくに観光業をする必要もなく
余裕ができれば「面倒だから建て替えちゃえ」と考えてしまいがち。
なんとか知恵を絞って、資源を維持する方法を探していきたいと感じました。

2012年2月25日 (土)

文化的景観を活かして、地域が元気になろう!

2月12日のシンポジウムの前半は、
文化庁文化財部記念物課文化的景観部門の鈴木地平氏よりお話いただきました。

「文化的景観の制度、地域振興に生かした取り組み事例について」

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伺った内容をまとめてみました。※記載についての文責はやさと茅葺き屋根保存会事務局にあります。

●やさとの印象
鈴木氏が、やさとを訪れたのは5年前に続き、今回が2度目。

やさとの印象について、つぎのように大変ご好評をいただきました。

「日本の由緒ある正しい農村をイメージしたとき、この地区には必要なものがすべて揃っている」
「豊かな生活が営まれている」

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●文化的景観とは
平成16年に文化庁の新しい文化財制度です。ここでいわれる「景観」には、つぎのような意味があります。
「たんに美しいだけでなく、そこで人が暮らして脈々と生業として営まれてきた結果としての景観」

●重要文化的景観
選定の条件は文化的景観のなかでも「価値が高く保護の措置が取られている」ことです。
現在、全国で30件あります。西日本に多く、関東では昨年9月に初めて、

群馬県板倉町の利根川・渡良瀬川合流域の水場景観が選定されました。
その他選定カ所など文化的景観については文化庁のホームページを参照ください。

●価値評価のポイント

文化的景観は、つぎにあげる3つの要素によって、育まれてきました。

1 自然的特徴
地理的位置、気候気象、災害歴、地形地質、動植物層、生態系など自然的要素は、

その土地の景観を特徴づける基本的な要素です。

2 歴史的特徴
地域には歴史が積み重なっています。景観は昔のままで止まっているわけではなく、

時代とともに変化し、変化を重ねながら今にいたるのです。変化は現在も続き、さらに未来に向かいます。

3 生活生業の特徴
景観はその地域で営まれてきた生活、生業の結果でもあります。

●景観の3つのスケール
1 間取りや門構え
家屋や倉庫、庭など、いわゆる屋敷は景観のはじまりです。
2 集落
家、田、水路、寺、神社などから構成されます。
3 流域
たとえば高知県の四万十川などは5市町196kmにわたる文化的景観をつくっています。

●文化的景観の町づくり

たとえば……

重要文化的景観に選定された滋賀県高島市の場合

カバタと呼ばれる湧水が家の中にもあり、見学希望者も多いため、地元の人たちがガイドすることを前提に公開することに。
地域の60世帯で「針江生水の郷委員会」を組織し、回り番で1ガイド1000円で運営。
なんと年間800万円の売り上げ!

●文化的景観とは日々の生活、生業によって育まれた大事な文化遺産
●文化的景観の見かたをすれば、「タダナラヌ普通」が浮かび上がってくる
●文化的景観を活かして、地域が元気になろう!

分かりやすく、熱意が伝わってくるお話でした。

とくに印象に残ったポイントを一つあげるなら……

未来にまでつながる歴史的特徴を持ち、生活、生業によって育まれる文化的景観を、今後も維持していくためには、

将来、地域をどうするのかを考えることも大切

やさとの景観を引き継ぎ生かす方法を、みんなで少しずつでも考えていけたらと思いました。

「里の風景を受け継ぎ生かす」シンポジウムに100人が参加

2月12日(日)
石岡市八郷総合支所の隣にある中央公民館でシンポジウムを行いました。
テーマは「里の風景を受け継ぎ生かす」。
やさと地区に代表される石岡市の里山と農村の風景について、
文化庁の新しい文化財制度である「文化的景観」の視点から考えました。
講師の先生はつぎのお二人です。

鈴木地平氏(文化庁文化財部記念物課文化的景観部門)
「文化的景観の制度、地域振興に生かした取り組み事例について」

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安藤邦廣氏(筑波大学芸術系教授)
「石岡市における農村景観の特徴と価値、保全と活用について」

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オブザーバーとして筑波大学で世界遺産について研究されている
黒田乃生氏(筑波大学芸術系准教授 世界遺産専攻)にもお越しいただきました。

会場に集まったのは100人を越える皆さん。

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このテーマへの関心の高さを感じるとともに、
講師の先生方の熱いお話に、今後の地域づくりを考えるうえで、大いに触発されたといわれる方が多かったようです。

今回のシンポジウムには
石岡市、石岡市教育委員会、石岡市区長会、
石岡市商工会、石岡市観光協会、やさと農業協同組合、
つくばね森林組合、八郷観光果樹組合より
ご後援いただきました。

講師の先生方、ご参加、ご後援いただいた皆さん。

ありがとうございました。

2012年1月30日 (月)

体験で葺いた東屋が完成しました

体験の翌日、4人の職人は、ぐし(棟)をつくり、最後にハサミで刈り込んで仕上げました。

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形のよい屋根です。参加者のみなさん、ありがとうございました!