« 「里の風景を受け継ぎ生かす」シンポジウムに100人が参加 | トップページ | 屋敷の構えから生活文化を知る »

2012年2月25日 (土)

文化的景観を活かして、地域が元気になろう!

2月12日のシンポジウムの前半は、
文化庁文化財部記念物課文化的景観部門の鈴木地平氏よりお話いただきました。

「文化的景観の制度、地域振興に生かした取り組み事例について」

Sinpo

伺った内容をまとめてみました。※記載についての文責はやさと茅葺き屋根保存会事務局にあります。

●やさとの印象
鈴木氏が、やさとを訪れたのは5年前に続き、今回が2度目。

やさとの印象について、つぎのように大変ご好評をいただきました。

「日本の由緒ある正しい農村をイメージしたとき、この地区には必要なものがすべて揃っている」
「豊かな生活が営まれている」

Aoyagi5

●文化的景観とは
平成16年に文化庁の新しい文化財制度です。ここでいわれる「景観」には、つぎのような意味があります。
「たんに美しいだけでなく、そこで人が暮らして脈々と生業として営まれてきた結果としての景観」

●重要文化的景観
選定の条件は文化的景観のなかでも「価値が高く保護の措置が取られている」ことです。
現在、全国で30件あります。西日本に多く、関東では昨年9月に初めて、

群馬県板倉町の利根川・渡良瀬川合流域の水場景観が選定されました。
その他選定カ所など文化的景観については文化庁のホームページを参照ください。

●価値評価のポイント

文化的景観は、つぎにあげる3つの要素によって、育まれてきました。

1 自然的特徴
地理的位置、気候気象、災害歴、地形地質、動植物層、生態系など自然的要素は、

その土地の景観を特徴づける基本的な要素です。

2 歴史的特徴
地域には歴史が積み重なっています。景観は昔のままで止まっているわけではなく、

時代とともに変化し、変化を重ねながら今にいたるのです。変化は現在も続き、さらに未来に向かいます。

3 生活生業の特徴
景観はその地域で営まれてきた生活、生業の結果でもあります。

●景観の3つのスケール
1 間取りや門構え
家屋や倉庫、庭など、いわゆる屋敷は景観のはじまりです。
2 集落
家、田、水路、寺、神社などから構成されます。
3 流域
たとえば高知県の四万十川などは5市町196kmにわたる文化的景観をつくっています。

●文化的景観の町づくり

たとえば……

重要文化的景観に選定された滋賀県高島市の場合

カバタと呼ばれる湧水が家の中にもあり、見学希望者も多いため、地元の人たちがガイドすることを前提に公開することに。
地域の60世帯で「針江生水の郷委員会」を組織し、回り番で1ガイド1000円で運営。
なんと年間800万円の売り上げ!

●文化的景観とは日々の生活、生業によって育まれた大事な文化遺産
●文化的景観の見かたをすれば、「タダナラヌ普通」が浮かび上がってくる
●文化的景観を活かして、地域が元気になろう!

分かりやすく、熱意が伝わってくるお話でした。

とくに印象に残ったポイントを一つあげるなら……

未来にまでつながる歴史的特徴を持ち、生活、生業によって育まれる文化的景観を、今後も維持していくためには、

将来、地域をどうするのかを考えることも大切

やさとの景観を引き継ぎ生かす方法を、みんなで少しずつでも考えていけたらと思いました。

« 「里の風景を受け継ぎ生かす」シンポジウムに100人が参加 | トップページ | 屋敷の構えから生活文化を知る »

活動報告」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「里の風景を受け継ぎ生かす」シンポジウムに100人が参加 | トップページ | 屋敷の構えから生活文化を知る »