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2012年2月13日 (月)

琵琶湖周辺の葦刈り取材

やさと茅葺き屋根保存会では協力してススキを刈り取っています。
刈り取りのようすは1月UPの記事に紹介しましたが、ほかの地域ではどのように刈っているのか、
自分たちよりも効率よく安全な方法はないのか、興味のあるところです。
先日、事務局スタッフが雑誌取材の仕事で、琵琶湖の葦刈りを見てきました。その報告です。

場所は琵琶湖につながる内湖のひとつ、西の湖です。
ここは昔からの葦の産地。すだれに加工して京都をはじめとする消費地に出荷してきました。
伺ったのは葦すだれを生産して4代目になる葭留さん。
すだれの需要が中国産に押されて激減したいま、
刈り取った葦は葦屋根葺きを主力に活用しています。

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葦は内湖の湿地に生えています。刈り取り期間は1月~3月半ば。
トラクターの後ろに付けた機械で行います。

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トラクターの後ろを4人ほどが歩いて、刈ったそばから葦をかかえて運びます。
トラクターのスピードが速すぎたり、葦を運ぶタイミングが遅れると刈り刃に葦が詰まってしまうそうです。

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4人が交互に手際よく、トラクターのドライバーと息を合わせて作業するのがポイント。
昔ながらの手刈りに比較すれば、作業の効率は数倍アップだといいます。

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稲刈り用のバインダーの刃の大型版といった感じの刃です。牧草刈り取り用の機械だそうです。

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以前に使っていたのは手押しの耕耘機スタイルの刈り取り機。
こちらも働き者でしたが、トラクターのパワーには負けます。

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刈り取った葦は、オギ(アシと呼ばれます)などを除いたのち、束ねて倉庫に運びます。

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倉庫では葦原で除ききれなかった草を取り去り、葦の太さ揃えて束ね直します。

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ここでは結束機を使って、プラスチックのテープで束ねていました。

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太く長いものは長いまま束ねて、暗渠などにも利用します。

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屋根で使いやすいように、2尺5寸、3尺は差し葦用、
3尺・4尺は葺き替え用、穂のついたものは4尺、5尺に切り分けておきます。

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束ね直し、切り分けるのは、筑波山周辺では茅ごしらえにあたる作業。
これを済ませたものを、倉庫に山積みしてストックします。

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近所の神社の屋根。葺き替え後6年が経過しています。
葦屋根の葺き替えは煙でいぶさない現代でも20~25年だそうです。
よしず需要が少ないいま、屋根にも上質の葦が使えるようになり、葦屋根の寿命は伸びました。

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厚く葺かれた軒。ちなみに刈り込みにはハサミでなく、
仕事の早いトリマー(サンダーにノコ刃を付けたもの)を使っているそうです。

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